2006年11月21日

きつねに化かされたような思い

がしてたのですが,URL打ったら確かにあるから多分現実。いやいやいや。
帰省中に更新する予定なかったのになー; いやでもすごかった。いやこれからすごいのか。とりあえずすごい。

横浜で開かれてる図書館総合展の2日目に参加してきました。
毎年のことなので展示みてびっくりすることはあんまりないのですが,IRIの「理想の図書館」の発表は楽しめたし,国会のプレゼンではDB公開の先行情報が聞けたし(開始未定だけど),展示じゃDocomoのICタグ書架の管理画面が楽しめたし,土屋先生はあいかわらずエキセントリックだしで(ILLの傾向自体は中の人には既知であったが)なかなか面白かった。面白かったのだけれど,

総合展後のオフ会が衝撃的すぎて
なんか全部すっきり忘却の彼方に。

詳細は……いや多分話しちゃまずそうな話も聞いたのでそれは話さないけども,近いうちにしっかり公表されるはず。別にリンクはってもいいよとはおっしゃられてましたが,まあ自分みたいな端っこがすっぱ抜くのも悪いので,自重しておきます。
その他の情報交換も非常に有意義でした。特にはてな分館の方のネタに非常に有用な情報をいくつか。ゴシップもいくつか。もうけもうけ。

非常に有意義な時間を過ごせました。
幹事の方,参加者の皆さん,ほんとうにありがとうございましたー。


[追記 2006/11/22 2:25]

時は来た,そうですw
ではどうぞ。

Project Next-L

投稿者 Myrmecoleon : 23:40 | コメント (414) | トラックバック

2006年11月19日

「長門有希の100冊は図書館で揃うか?」調査・番外編2

# 過去の回は以下。

最近は仕事が忙しいわ関係ないことにかまけてるわでこちらの更新を怠っていますmyrmecoleonです。
仕事がゆるくなったら,と思っていますが,来年度まで無理そうな予感(死
むしろ分館の同人誌図書館こそ優先させたいのですが……。むー。

それはさておき,以前から図書館検索Bookmarkletのあたりで付き合いのあった natu_n さんのところで「長門有希の100冊」の福島県版調査をやってくださいました。

素晴らしい。
結果はこんな感じ(上記記事から引用)。

地域人口所蔵数所蔵率
福島市立29万人
79万冊
74.1%
郡山市立34万人
78万冊
56.9%
いわき市立35万人
48万冊
45.0%
会津若松市立13万人
30万冊
29.0%

やはり市立図書館間では蔵書規模に比例するような結果になるようですね。記事ではタイトル別の有無もありましたが,やはり県立などにあまり無かったタイトルはこちらでも少ない印象。いわき市立に『底抜け超大作』があるというのはちょっと驚いたけど。

ちなみにnatu_nさんの掲示板で提供しましたが,自分が調査に使ってるISBNリスト(正確にはちょっと修正してますが)を公開します。どーせ単なるリストなんで自由に使ってください。出所の明示等も不要です。その代わり,抜けや誤りがあったらご容赦を。

http://myrmecoleon.sytes.net/nagata_isbn.txt


来週は横浜の図書館総合展に行ってきます。たぶん帰ってくるまでこちらの更新はしないと思います。

投稿者 Myrmecoleon : 18:08 | コメント (1202) | トラックバック

2006年11月05日

第五回「長門有希の100冊は図書館で揃うか?」調査

# 過去の回は以下。

予告通り連休ぎりぎりで更新。第五回です。
今回のテーマは「蔵書冊数の少ない県立図書館」

以前にfuzzyさんが県主要図書館の長門本所蔵率の推定を出していました。

市内の図書館の蔵書: 15~30%程度
県の主要図書館の蔵書の合計: 35~70%程度
国立国会図書館の蔵書: 95%程度

国立国会図書館については95%程度と素晴らしい的中率(第一回参照)を示していましたが,その他についてはどうなのか,というのが今回のポイント。

「市内の図書館の蔵書」については第四回の結果や鈴木氏の調査が参考になるかもしれません。「市内」といっても,大阪市や横浜市であれば30%どころではない,おそらく中央図書館単独でも相当の所蔵率でしょう。そういう意味では,上限値はもっと上になります(まあ,横浜市などは「県の主要図書館」といっても遜色ない規模ですが;)。
具体的な数字をみるとすれば,鈴木氏の調査が参考になります。品川区内最大の品川図書館で7割弱,地区の分館で10~28冊読めるらしい。fuzzyさんのいう「市内の図書館」の数字は後者の数字とかなり合致しています。23区や政令指定都市の図書館は平均からすれば上にいく規模だと思われますし,地方の図書館についての予想としては妥当なところかもしれませんね。
おそらくある程度の地域差があるでしょう。それについては今後確認していかないといけないかな。

「県の主要図書館の蔵書の合計」については,第三回の大阪府立と第四回の大阪市立の結果をあわせて見てみれば歴然です。あきらかに90% 近くの利用できる都道府県が存在します。ただし,合計でなく,「都道府県立図書館の蔵書」として区切れば,上限については適当な数字と言えるかも知れない。
では,さて下限は? ということで今回の調査です。


今回は2006年4月時点でもっとも蔵書数の少なかった以下の県立図書館3館を調査しました。


山梨県立図書館 約45万冊
高知県立図書館 約48万冊
奈良県立図書情報館 約48万冊


ほとんどの県立図書館は60万~80万の間に入りますので,この3館は特に蔵書数の少ない部類ということが言えます。蔵書規模にして都立や大阪府立の1/4以下のこの3館,さてどの程度の所蔵率がみられるのでしょうか?


例のごとく調査方法の確認。といっても前回と同じですが。

手法についての苦労話をすると,困ったことに山梨県立図書館,ISBN検索ができない。似たようなインターフェイスでもISBN検索のできるところはあるので,たぶんバージョンが違うのでしょうね。
仕方ないので,今回はタイトル検索も自動化させるようにISBNのリスト&スクリプトを修正。もともと横断検索システムの構築の予備テストとしてやってたので,タイトル検索もできるようにしてたのが功を奏した。まだいくつか不具合もありますが,ISBNのリストを投げて複数館の所蔵を一括で出せるようになってきております。
横断検索を実装させるときは書誌情報をXMLで取り出せるようにでもすっぺかね。思った以上に館ごとのインターフェイスに違いがない(まあ同じ会社の商品)ので,Ajaxな全国図書館横断検索とか(技術的には)意外にいけそう。
しかしこういう調査をするときは,ISBNのリストをまとめて投げて結果を返せるようにした方がいいかも。CSVでISBNのリストなげると,各図書の所蔵情報をRSSで返す,とかにしようかなー。

まあ閑話休題。


結果。

タイトルほか山梨県立奈良県立高知県立
『ギリシア棺の謎』エラリー・クイーン(創元推理文庫)×××
『エンディミオン』ダン・シモンズ(ハヤカワ文庫SF)
『ウロボロスの偽書』竹本健治(講談社文庫)×××
『双頭の悪魔』有栖川有栖(創元推理文庫)
『魍魎の匣』京極夏彦(講談社文庫)
『ぬかるんでから』佐藤哲也(文藝春秋)×
『クレープを二度食えば。』とり・みき(筑摩書房)×××
『誰彼』法月綸太郎(講談社文庫)×××
『夏と冬の奏鳴曲』麻耶雄嵩(講談社文庫)×××
『猶予の月』神林長平(ハヤカワ文庫JA)×××
『世界SF全集12』R・A・ハインライン(早川書房)×
『バブリング創世記』筒井康隆(徳間文庫)××
『(完本)黒衣伝説』朝松健(早川書房)×××
『パスカルの鼻は長かった』小峰元(講談社文庫)×
『時間衝突』バリントン・J・ベイリー(創元推理文庫)××
『三つの棺』J・D・カー(ハヤカワ・ミステリ文庫)×××
『エイリアン妖山記』菊地秀行(ソノラマ文庫)×××
『順列都市』グレッグ・イーガン×××
『ターミナル・エクスペリメント』ロバート・J・ソウヤー(ハヤカワ文庫SF)×××
『復活祭のためのレクイエム』新井千裕(講談社文庫)××
『精神現象学』G・W・F・ヘーゲル(平凡社ライブラリー)×
『伯母殺し』リチャード・ハル(ハヤカワ・ミステリ文庫)×××
『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』高橋昌一郎(講談社現代新書)××
『赤い館の秘密』A・A・ミルン(創元推理文庫)××
『十角館の殺人』綾辻行人(講談社文庫)×××
『ヴィーナスの命題』真木武志(角川書店)××
『五百光年』草上仁(単行本未収録) - 「S-Fマガジン」1998年2月号×××
『暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで』サイモン・シン(新潮社)×
「デュマレスト・サーガ」シリーズ E・C・タブ(創元推理文庫)×××
『名探偵の掟』東野圭吾(講談社文庫)×
『有限と微小のパン』森博嗣(講談社文庫)×××
『魔術の歴史』エリファス・レヴィ(人文書院)×
『オイディプス症候群』笠井潔(光文社)××
『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹(講談社文庫)
『ジョーカー』清涼院流水(講談社文庫)×××
『抱朴子』葛洪(岩波書店)×
『殺人喜劇の13人』芦辺拓(講談社文庫)×××
『世界魔法大全(英国篇)4』ダイアン・フォーチュン(国書刊行会)××
『妄想自然科学入門』菊川涼音(メディアワークス)×××
『鋼鉄都市』アイザック・アシモフ(ハヤカワ文庫SF)××
『法の書』アレイスター・クロウリー(国書刊行会)×××
『イーリアス』ホメーロス(平凡社ライブラリー) *呉訳
『真ク・リトル・リトル神話大系』H・P・ラヴクラフト(国書刊行会)××
『僧正殺人事件』ヴァン・ダイン(創元推理文庫)××
『衣装戸棚の女』ピーター・アントニイ(創元推理文庫)×××
『殺意』フランシス・アイルズ(創元推理文庫)×××
『トンデモ本の世界』と学会(宝島社文庫)×
『ガダラの豚』中島らも(集英社文庫)×
『悪霊の館』二階堂黎人(講談社文庫)××
『知性化戦争』ディヴィッド・ブリン(ハヤカワ文庫SF)×××
『タウ・ゼロ』ポール・アンダースン(創元SF文庫)×××
『月に呼ばれて海より如来る』夢枕獏(徳間文庫)×××
『イメージシンボル辞典』アト・ド・フリース(大修館書店)
『椿姫を見ませんか』森雅裕(講談社文庫)×
『呪われし者の書』チャールズ・フォート :The Book of the Damned×××
『トリフィド時代 食人植物の恐怖』ジョン・ウィンダム(創元SF文庫)×××
『盗まれた街』ジャック・フィニィ(ハヤカワ文庫SF)×××
『デッドソルジャーズ・ライヴ』山田正紀(早川書房)×
『暗闇の中で子供 The Childish Darkness』舞城王太郎(講談社ノベルス)×××
『失われた時を求めて』マルセル・プルースト(集英社文庫)
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー(新潮文庫)
『吉里吉里人』井上ひさし(新潮文庫)
『火星にて大地を想う』T・フロゥイング×××
『吸血鬼伝承「生ける死体」の民俗学』平賀英一郎(中公新書)×
『エイリアン刑事』大原まり子(ソノラマ文庫)×××
『落ち着かぬ赤毛』E・S・ガードナー(ハヤカワ・ミステリ文庫)××
『ブラウン神父の童心』G・K・チェスタトン(創元推理文庫)×××
『昭和歌謡大全集』村上龍(幻冬舎文庫)
『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス(ハヤカワ文庫SF)×××
『リングワールド』ラリィ・ニーヴン(ハヤカワ文庫SF)××
『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード(ハヤカワ文庫SF)×××
『たったひとつの冴えたやり方』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(ハヤカワ文庫SF)×××
『奇想、天を動かす』島田荘司(光文社文庫)×××
『最上階の殺人 Shinjusha Mystery』アントニイ・バークリー(新樹社)×××
『夢の樹が接げたなら』森岡浩之(ハヤカワ文庫JA)××
『スターダスト・シティ』笹本祐一(ソノラマ文庫)×××
『陸橋殺人事件』ロナルド・A・ノックス(創元推理文庫)×××
『金なら返せん!』大川豊(幻冬舎アウトロー文庫)×××
『海を見る人』小林泰三(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)××
『ホッグ連続殺人』ウィリアム・L・デアンドリア(ハヤカワ・ミステリ文庫)×××
『思考する物語 SFの原理・歴史・主題』森下一仁(東京創元社)×
『ドグラ・マグラ』夢野久作(角川文庫)×
『たそがれに還る』光瀬龍(ハルキ文庫)××
『ダーコーヴァ年代記』M・Z・ブラッドリー(創元推理文庫)××0.1
『――――』――×××
『少年エスパー戦隊』豊田有恒(てのり文庫(国土社))
『ECCENTRICS』吉野朔実(小学館文庫)
『太陽の簒奪者』野尻抱介(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)××
『悪魔の系譜』J・B・ラッセル(青土社)××
『底抜け超大作』映画秘宝編集部編(洋泉社)×××
『猫たちの聖夜』アキフ・ピリンチ(ハヤカワ文庫NV)
『虎よ、虎よ!』アルフレッド・ベスター(ハヤカワ文庫SF)××
『サード・コンタクト』小林一夫(ソノラマノベルス)×××
『五番目のサリー』ダニエル・キイス(ダニエル・キイス文庫)
『赤と黒』スタンダール(新潮文庫)××
『百舌の叫ぶ夜』逢坂剛(集英社文庫)×
『星を継ぐもの』J・P・ホーガン(創元SF文庫)×××
『できるかなリターンズ』西原理恵子(角川文庫)×××
『海がきこえる』氷室冴子(徳間文庫)××
『――』―×××
所蔵率24.0%35.0%34.0%

いや,前回の大阪市なんかのを見てるとギャップがすごいすごい。
奈良県立と高知県立は約35%,山梨県立にいたっては3割いかんのですね。品川区立でいえば地区館レベル。
まあ「ひどい」とは言っちゃいけないのだと思います。規模に比例した結果なのでしょうね。また前回の結果をみてもわかるとおり,県立図書館は比較的一般書・専門書よりの収集をしているため,小説類はやや苦手。少ない蔵書数でのカバーする図書の優先度を考えれば,これは仕方ない結果なのかもしれない。というか多分,都立や大阪府立と比べること自体が間違ってる;

まあでもこの結果から「県の主要図書館の蔵書」の下限は24%まで下がることが判明しました。県内の市立図書館なども含めればもう少し上にいくのでしょうが,地方図書館では必ずしも県立図書館はあてにできない,ということなのでしょうね。

ランキングを更新すると,こんな感じ。

  1. 国立国会図書館 95.0%
  2. 大阪市立図書館 91.9%
  3. 横浜市立図書館 91.0%
  4. 名古屋市立図書館 85.8%
  5. 大阪府立図書館 76.8%
  6. 東京都立図書館 70.1%
  7. 埼玉県立図書館 65.7%
  8. 奈良県立図書情報館 35.0%
  9. 高知県立図書館 34.0%
  10. 山梨県立図書館 24.0%


いつもは複数館で「もってない本」をあげてましたが,今回は数が多すぎるので「もってた本」の方で。三館すべてが所蔵していた本は以下の12冊。

『双頭の悪魔』
『魍魎の匣』
『ダンス・ダンス・ダンス』
『イーリアス』
『イメージシンボル辞典』
『失われた時を求めて』
『カラマーゾフの兄弟』
『吉里吉里人』
『昭和歌謡大全集』
『少年エスパー戦隊』
『猫たちの聖夜』
『五番目のサリー』

新本格ミステリに現代文学,あとは有名どころの海外文学。『少年エスパー戦隊』はちょっと意外。『猫たちの聖夜』はなんか人気。翻訳SFが皆無なのはいっそ清々しい。
ちなみに三巨頭(『ECCENTRICS』『クレープを二度食えば。』『底抜け超大作』)は例によって一冊も所蔵されてません。

あと,いままではほぼ100%と所蔵されていたタイトルでも欠けてるのがいくつか。『ギリシア棺の謎』とか『ウロボロスの偽書』とか。逆によくこれ持ってるなあ,というのは高知県の『落ち着かぬ赤毛』ぐらいか。全体的に,他館でもってないような本はやはりあまり持っていない。傾向としてはやっぱり海外SF弱いですね。

タイトルでいうと,なんで高知県立に『海がきこえる』の続編だけあるのかが気になったり。『海がきこえる』は各市立でもってるのでいらない,って判断でしょうか?


これまで調べてきた図書館の結果とあまりに違うので戸惑うけれど,おそらくは県立図書館ではこういった館の方が多いのだと思います(山梨県立はさすがに極端ですが;)。都立や大阪府立が特殊なのであって,多くの館はやはり40~50%ぐらいに留まるんじゃないだろうか。ここまでやってしまうと,全県調査もしてみたいかもしれないなー。

なお,繰り返しますが,別にこの結果をもって各図書館がダメダメだ,という気はありません。県立図書館の役割,地方館ゆえの規模の問題,そうしたことを考えれば,こんな偏ったリストで図書館の蔵書の質が判断できるわけではありません。府立や都立の結果を見た上で言えば,蔵書規模に応じた結果が出た,というべきなのでしょう。


ちなみに,高知県は現在新県立図書館構想をあげているところ。県立館としての役割を考えれば駅前図書館というのが微妙というのはtohruさんのいうとおりなんですが,知事さんも図書館に好意的であるようだし,これからの成長に期待できるのではないでしょうか。

奈良県立図書情報館は今年で開館一周年。現在は,松岡正剛氏らの構築した画期的なインターフェイスをもつゼネティックコンピュータを館内に設置するという興味深い試みを進めてます(。また,これについてのトークセッションが先日行われた)。
こうした試みが利用者の利便性に役立つかはわかりませんが,いろいろと模索するのは悪いことではない,と思います。

山梨県立も含めて(ここは残念ながらネタ見当たらず;)今後がんばってもらいたいですね。10年後に似たような調査をしたら,また違う結果が出るかもしれません。


さて,次回はどうしよう。地域別とかが面白そうかなー。

投稿者 Myrmecoleon : 22:32 | コメント (6) | トラックバック

2006年11月03日

「長門有希の100冊は図書館で揃うか?」調査・番外編

第四回を書いてる途中,ちょっとエゴサーチしてたら,品川区の長門本所蔵率を調査してるページがありました。

「長門有希の100冊」東京都品川区の図書館における蔵書数調査

調査してくださったのは鈴木舟太さん。以前紹介したAmazonでの長門本の入手難易度調査をされた方ですね。
五反田図書館の端末をぴこぴこ叩きながら検索されたそうです。一応,品川区立図書館はOPACを公開してるのでネットからも検索できないことはないのですが,中と外でレコードが違うこともたまにあるので,正確なところを知りたい場合はそちらの方が正しいです。何時間も占領して検索するのはちょっと恥ずかしい気がしますがw

分館毎の所蔵をチェックしてるのが素晴らしいですね。自分も本当はそこまでしなくちゃいけないと思いつつ,怠慢してました; こういう調査もしなきゃですねー。


調査結果を引用すると


・区全体:8割強(81冊)
・区立の中央図書館:7割弱(68冊)
・地域レベルの図書館:1~3割(10~28冊)


とのこと。区立図書館は政令指定都市立と同じく規模の大きいところが多いので,8割強という数字は第四回の結果に沿ってますね。
中央図書館で7割,地区の分館で1~3割という数字は面白い。また1割程度は中央図書館でなく分館にあるというのも興味深い。確かに,普通に図書館使っててもなぜか分館にしかない本,ってたまにあるんですよねえ。ほかの市立図書館等も,たぶん似たような数字になるんだろうな。何館かあたってみると面白いかもしれない。

ミステリ系は所蔵館が多く,SF・オカルトが少ないってのはよく感じる傾向ですね。
『猫たちの聖夜』がいちばん多くの館で所蔵してるとか,なぜか『ジョーカー』が一冊もないとかは面白いですねー。偶然の産物だとは思うんですけど。でも『ジョーカー』はそういえば大阪府立や埼玉県立にもなかった。何か入れづらい理由でもあるんだろうか。そういえば『有限と微小のパン』が品川図書館にないってのもどこかで見た現象だわ。講談社ミステリ系は避けられてるのか。それとも紛失でも多いのか。
『ECCENTRICS』『クレープを二度食えば』『底抜け超大作』あたりはやっぱりないですね。ほんと三巨頭だわ。逆に無くて「あれ?」と思うのは,『トンデモ本の世界』と『エンダーのゲーム』かな。このへんは自分の調査だとほとんどの館でも持ってたので。


「こういった調査が全国で行われれば、図書館で借りやすい本・借りにくい本の傾向が表れるのではないかと思います。」とのコメントがありますが,たとえお遊びでも,とあるリストにある本が日本のどの図書館でどの程度利用できるか,というのはなかなか興味深いですね。似たようにみられやすい県立と市立の性格の違いとか,中央館と分館の蔵書の様子とか,普段あまり意識されないことがはっきりする感じ。

ほんとご調査お疲れさまでしたー。

投稿者 Myrmecoleon : 23:08 | コメント (1446) | トラックバック

第四回「長門有希の100冊は図書館で揃うか?」調査

# 過去の回は以下。調査の趣旨,「長門有希の100冊」などについては第一回参照のこと。

えーと,気がついたら月が変わってました,すみませんorz
間を空けすぎて,そろそろ注目もされないだろうなー,と思いつつ,淡々と更新していきたいと思います。

というわけで,第四回。
今回は「蔵書冊数の多い市立図書館」にスポットをあててみます。

前回のコメントでizuruさんから「横浜市立とか大阪市立とかのがいいんじゃね?」(注:意訳)というアドバイスをいただきました。そこでちょっと確認してみようというのが今回の趣旨。

調査対象は,市区町村立図書館でもっとも蔵書冊数の多い以下の3館。

横浜市立図書館(約376万冊)
大阪市立図書館(約324万冊)
名古屋市図書館(約294万冊)

まあ,「市区町村立」といっても,トップクラスはいずれも政令指定都市の館なんですよね。今後は「人口何万人クラスの市区町村立」とかでクラス別に見てった方がいいかもしれないなあ。

ちなみに冊数でいうといずれも都立の約237万冊を越えてますが,市立では分館が非常に多いという事情があるため,純粋にタイトル数でいえば都立などの方が多いはずです(今回の調査中も,数館で所蔵しているタイトルが多数ありました)。この点があるため,市立図書館の長門本所蔵率はやはり都立や大阪府立と同じか下ぐらいかな,と以前は思っていたのですが,izuruさんの調査によると,横浜市立・大阪市立の両館で,前回・前々回で調査した三館で所蔵してない本を所蔵してるとのこと。こうなるともっと上が狙えるんじゃないかと欲が出てきてしまいます。

さてさて,どう化けることやら。


恒例の調査方法の確認。
基準はやはり前回と同じ。版型違いも許容。翻訳本については訳者が同じならOK。今回は調査する三館のみのリストをあげておきます。

ちなみに具体的な方法ですが,前回までの調査過程で版型違いまで含んだISBNリストを作ってあるので,スクリプトを書いてこれを各館のOPACとマッチング,一致したら○,一致しなかったら書名や著者名で検索して,見つかったら○,見つからなかったら×,という形で処理しております。
今回,POST方式のみOKというOPACがあったので難儀しました(解決したので今後はOK)。あと大阪市立の重いこと重いこと; 複数館を同時にやってもたいしたボトルネックにはならないのですが,重い館が一つでもあると面倒ですね。


さて,では結果発表。

タイトルほか横浜市立大阪市立名古屋市立
『ギリシア棺の謎』エラリー・クイーン(創元推理文庫)
『エンディミオン』ダン・シモンズ(ハヤカワ文庫SF)
『ウロボロスの偽書』竹本健治(講談社文庫)
『双頭の悪魔』有栖川有栖(創元推理文庫)
『魍魎の匣』京極夏彦(講談社文庫)
『ぬかるんでから』佐藤哲也(文藝春秋)
『クレープを二度食えば。』とり・みき(筑摩書房)×××
『誰彼』法月綸太郎(講談社文庫)
『夏と冬の奏鳴曲』麻耶雄嵩(講談社文庫)
『猶予の月』神林長平(ハヤカワ文庫JA)
『世界SF全集12』R・A・ハインライン(早川書房)
『バブリング創世記』筒井康隆(徳間文庫)
『(完本)黒衣伝説』朝松健(早川書房)
『パスカルの鼻は長かった』小峰元(講談社文庫)
『時間衝突』バリントン・J・ベイリー(創元推理文庫)
『三つの棺』J・D・カー(ハヤカワ・ミステリ文庫)
『エイリアン妖山記』菊地秀行(ソノラマ文庫)
『順列都市』グレッグ・イーガン
『ターミナル・エクスペリメント』ロバート・J・ソウヤー(ハヤカワ文庫SF)
『復活祭のためのレクイエム』新井千裕(講談社文庫)
『精神現象学』G・W・F・ヘーゲル(平凡社ライブラリー)×
『伯母殺し』リチャード・ハル(ハヤカワ・ミステリ文庫)×
『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』高橋昌一郎(講談社現代新書)
『赤い館の秘密』A・A・ミルン(創元推理文庫)
『十角館の殺人』綾辻行人(講談社文庫)
『ヴィーナスの命題』真木武志(角川書店)
『五百光年』草上仁(単行本未収録) - 「S-Fマガジン」1998年2月号×
『暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで』サイモン・シン(新潮社)
「デュマレスト・サーガ」シリーズ E・C・タブ(創元推理文庫)0.90.9
『名探偵の掟』東野圭吾(講談社文庫)
『有限と微小のパン』森博嗣(講談社文庫)
『魔術の歴史』エリファス・レヴィ(人文書院)×
『オイディプス症候群』笠井潔(光文社)
『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹(講談社文庫)
『ジョーカー』清涼院流水(講談社文庫)
『抱朴子』葛洪(岩波書店)××
『殺人喜劇の13人』芦辺拓(講談社文庫)
『世界魔法大全(英国篇)4』ダイアン・フォーチュン(国書刊行会)
『妄想自然科学入門』菊川涼音(メディアワークス)×
『鋼鉄都市』アイザック・アシモフ(ハヤカワ文庫SF)
『法の書』アレイスター・クロウリー(国書刊行会)×
『イーリアス』ホメーロス(平凡社ライブラリー) *呉訳×
『真ク・リトル・リトル神話大系』H・P・ラヴクラフト(国書刊行会)
『僧正殺人事件』ヴァン・ダイン(創元推理文庫)
『衣装戸棚の女』ピーター・アントニイ(創元推理文庫)
『殺意』フランシス・アイルズ(創元推理文庫)
『トンデモ本の世界』と学会(宝島社文庫)
『ガダラの豚』中島らも(集英社文庫)
『悪霊の館』二階堂黎人(講談社文庫)
『知性化戦争』ディヴィッド・ブリン(ハヤカワ文庫SF)
『タウ・ゼロ』ポール・アンダースン(創元SF文庫)
『月に呼ばれて海より如来る』夢枕獏(徳間文庫)
『イメージシンボル辞典』アト・ド・フリース(大修館書店)
『椿姫を見ませんか』森雅裕(講談社文庫)
『呪われし者の書』チャールズ・フォート :The Book of the Damned×××
『トリフィド時代 食人植物の恐怖』ジョン・ウィンダム(創元SF文庫)
『盗まれた街』ジャック・フィニィ(ハヤカワ文庫SF)
『デッドソルジャーズ・ライヴ』山田正紀(早川書房)
『暗闇の中で子供 The Childish Darkness』舞城王太郎(講談社ノベルス)
『失われた時を求めて』マルセル・プルースト(集英社文庫)
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー(新潮文庫)
『吉里吉里人』井上ひさし(新潮文庫)
『火星にて大地を想う』T・フロゥイング×××
『吸血鬼伝承「生ける死体」の民俗学』平賀英一郎(中公新書)
『エイリアン刑事』大原まり子(ソノラマ文庫)
『落ち着かぬ赤毛』E・S・ガードナー(ハヤカワ・ミステリ文庫)
『ブラウン神父の童心』G・K・チェスタトン(創元推理文庫)
『昭和歌謡大全集』村上龍(幻冬舎文庫)
『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス(ハヤカワ文庫SF)
『リングワールド』ラリィ・ニーヴン(ハヤカワ文庫SF)
『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード(ハヤカワ文庫SF)
『たったひとつの冴えたやり方』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(ハヤカワ文庫SF)
『奇想、天を動かす』島田荘司(光文社文庫)
『最上階の殺人 Shinjusha Mystery』アントニイ・バークリー(新樹社)
『夢の樹が接げたなら』森岡浩之(ハヤカワ文庫JA)
『スターダスト・シティ』笹本祐一(ソノラマ文庫)0.5
『陸橋殺人事件』ロナルド・A・ノックス(創元推理文庫)
『金なら返せん!』大川豊(幻冬舎アウトロー文庫)0.5
『海を見る人』小林泰三(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
『ホッグ連続殺人』ウィリアム・L・デアンドリア(ハヤカワ・ミステリ文庫)
『思考する物語 SFの原理・歴史・主題』森下一仁(東京創元社)×
『ドグラ・マグラ』夢野久作(角川文庫)
『たそがれに還る』光瀬龍(ハルキ文庫)
『ダーコーヴァ年代記』M・Z・ブラッドリー(創元推理文庫)0.9 0.9
『――――』――×××
『少年エスパー戦隊』豊田有恒(てのり文庫(国土社))
『ECCENTRICS』吉野朔実(小学館文庫)×××
『太陽の簒奪者』野尻抱介(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
『悪魔の系譜』J・B・ラッセル(青土社)
『底抜け超大作』映画秘宝編集部編(洋泉社)××
『猫たちの聖夜』アキフ・ピリンチ(ハヤカワ文庫NV)
『虎よ、虎よ!』アルフレッド・ベスター(ハヤカワ文庫SF)
『サード・コンタクト』小林一夫(ソノラマノベルス)
『五番目のサリー』ダニエル・キイス(ダニエル・キイス文庫)
『赤と黒』スタンダール(新潮文庫)
『百舌の叫ぶ夜』逢坂剛(集英社文庫)
『星を継ぐもの』J・P・ホーガン(創元SF文庫)
『できるかなリターンズ』西原理恵子(角川文庫)
『海がきこえる』氷室冴子(徳間文庫)
『――』―×××
所蔵率91.0%91.9%85.8%

えーと……izuruさんすごい(何
都立や大阪府立なんて目じゃなかったです。なんですかこの怪物っぷりは。
横浜市立と大阪市立はあっさり9割越え,名古屋ですら8割クラスですか;
分館が多いので一つの館でこれだけ読めるわけじゃないのでしょうけれど,国会図書館で95%なのを考えるとこの数字はすごい。逆にいえば,都立や県立はやはり小説類は苦手,ってことなんでしょうね。

個別のタイトルでいうと,デュマレストサーガやダーコーヴァ年代記の揃いっぷりに燃えました(横浜市はともにコンプリート,大阪市や名古屋市も少し足りないだけでほぼ揃ってます)。
あとなぜか名古屋市立に『金なら返せん!』のシリーズがまるまるあったこと。ぴあ版では「天の巻」「地の巻」のほかに「人の巻」「ビックバン」「金メダル」があるらしい。恐ろしいことに名古屋市立ではそれが揃ってる; 横浜・大阪に劣らぬ恐ろしさを秘めていることが実感できます。でも雑誌の巻号検索は欲しいです(名古屋市立,雑誌の所蔵巻がちゃんと表示されておらず,SFマガジンをとっているのはわかったのですが[欠号:多]とのことであると断言することができず,今回の調査では×扱いになっています)。

ちなみにこれらの館で共通で読めないタイトルをみてみると,入手不可能4タイトルを除けば,

『クレープを二度食えば。』
『ECCENTRICS』

の二点があがります。やはり漫画は難しい様子。
また二館でもってないのだと,

『抱朴子』(石島快隆訳)
『底抜け超大作』

の二点。後者についてはizuruさんのコメントにありますが,横浜市は総合目録ネットワーク(公共図書館版Webcat。複数館の所蔵をまとめて検索可)では所蔵してるのにOPACにはなし。今回はなしとして扱ってます。『抱朴子』がないのは意外でしたね。

逆に前回あげた未所蔵5タイトル中,『暗闇の中で子供 The Childish Darkness』と『できるかなリターンズ』は三館とも持っていました。スターダスト・シティは横浜市がなぜか1巻だけもってない。残り二点は上記のとおりですね。
こういうのを見ると,やはり県立図書館向きなタイトルと市立図書館向きなタイトルというのはあるんだなあ,と実感します。

ちなみに大阪府立には大阪市立で持ってない『クレープを二度食えば。』『法の書』『抱朴子』の三冊があるので,このコンビだと国会にタメはれます(ぁ こうやって補いあえるところは強いですね。


ここまで調べた中で,国会以外でもってなかったタイトルとしては唯一『ECCENTRICS』があがります。次にないのが『底抜け超大作』と『クレープを二度食えば。』。ジャンルから言っても,この三タイトルは図書館での「穴」のようですね。それでも後者二点は持っている館のあるのが素晴らしい。つーか大阪すごい。


現在の長門本所蔵率をまとめると,こんな感じ。

  1. 国立国会図書館 95.0%
  2. 大阪市立図書館 91.9%
  3. 横浜市立図書館 91.0%
  4. 名古屋市立図書館 85.8%
  5. 大阪府立図書館 76.8%↓
  6. 東京都立図書館 70.1%↓
  7. 埼玉県立図書館 65.7%↓

国会1位は不動でしょうが,今回ので一気にランキングが変わりました。ほかの政令指定都市立の図書館もかなりいけそうですね。


今回かなり間があいてしまったので,次回はもうちょい早めにやる予定。早ければ連休中にあげます。
お題としては,

  • 大学図書館編(東大とか)
  • 小規模県立図書館編(県立図書館での所蔵率の“幅”を推定)
  • 市町村立図書館編その2(名古屋に次ぐ規模の,さいたま市・札幌市など)
  • 地域別編(現在までにあがってない,東北・中国・九州地区の図書館)

あたりのどれかを考え中。あと,近年の蔵書冊数増加が異常な岡山県立とかも気になってたり(年間受入冊数8万とか……ありえん)。最近の本が多いというのがよく働くのか悪く働くのか興味深い。

投稿者 Myrmecoleon : 22:49 | コメント (1370) | トラックバック

2006年10月19日

第三回「長門有希の100冊は図書館で揃うか?」調査

ブログ5000カウンタいくまでに半年以上かかったのに,何でたった4日で10000超えてるんでしょうか;

CAXさんに捕捉されたのが大きかったのだろうか。ありがたいかぎりでございます。


はてブではMIZUKIさん(id:waterperiod さんね)から「馬鹿!」とのお褒めの言葉をいただく。あと,fuzzyさんの的中率に驚く(国会なんてまんまじゃないすか;)。

おかげで仕事が忙しいのに無理やりUPすることに決めました。もっと馬鹿と呼んで下さい(マテ


そういうわけで第3回です。第1回はこちら。第2回はこちら。


前々回は日本最大の国立国会図書館,前回は公共図書館のトップ・東京都立図書館を調査しました。予定では次は大学図書館系で東大あたりいこうかと思っていたのだけれど,ちょっと方向転換。
前回,都立で70.1%という所蔵率を見て,自分は「少ない」と思ったのだけれど,MIZUKIさんはむしろ「多い」という。fuzzyさんの推定では(合計で)「35~70%程度」。んじゃ実際のところどうなんだろ,と思ったわけ。


そういうわけで今回は,都立につぐ規模をもつ都道府県立図書館を調査してみることにしました。それも今回は二館。
関西の雄,大阪府立図書館(約215万冊)。そして第三位の埼玉県立図書館(約137万冊)をチェック。

(ある程度自動化してるので,実はまとめてやった方がラクだったりします)


基準等は前回と同じ。なお,備考までちゃんと記入してると手間なたので,今回のリストは,全巻読めれば○,まるっきり読めない場合は×とし,一部のみ読める場合は前回同様小数で表示してます。あとおまけで前回までのリストも同様の形式で並べてみました。
結果はだいたい以下の通り。


タイトルほか国会図書館都立大阪府立埼玉県立
『ギリシア棺の謎』エラリー・クイーン(創元推理文庫)
『エンディミオン』ダン・シモンズ(ハヤカワ文庫SF)×
『ウロボロスの偽書』竹本健治(講談社文庫)
『双頭の悪魔』有栖川有栖(創元推理文庫)
『魍魎の匣』京極夏彦(講談社文庫)×
『ぬかるんでから』佐藤哲也(文藝春秋)×
『クレープを二度食えば。』とり・みき(筑摩書房)××
『誰彼』法月綸太郎(講談社文庫)×
『夏と冬の奏鳴曲』麻耶雄嵩(講談社文庫)××
『猶予の月』神林長平(ハヤカワ文庫JA)
『世界SF全集12』R・A・ハインライン(早川書房)
『バブリング創世記』筒井康隆(徳間文庫)
『(完本)黒衣伝説』朝松健(早川書房)××
『パスカルの鼻は長かった』小峰元(講談社文庫)
『時間衝突』バリントン・J・ベイリー(創元推理文庫)×
『三つの棺』J・D・カー(ハヤカワ・ミステリ文庫)
『エイリアン妖山記』菊地秀行(ソノラマ文庫)××
『順列都市』グレッグ・イーガン×
『ターミナル・エクスペリメント』ロバート・J・ソウヤー(ハヤカワ文庫SF)×
『復活祭のためのレクイエム』新井千裕(講談社文庫)
『精神現象学』G・W・F・ヘーゲル(平凡社ライブラリー)
『伯母殺し』リチャード・ハル(ハヤカワ・ミステリ文庫)××
『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』高橋昌一郎(講談社現代新書)
『赤い館の秘密』A・A・ミルン(創元推理文庫)
『十角館の殺人』綾辻行人(講談社文庫)××
『ヴィーナスの命題』真木武志(角川書店)×
『五百光年』草上仁(単行本未収録) - 「S-Fマガジン」1998年2月号
『暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで』サイモン・シン(新潮社)
「デュマレスト・サーガ」シリーズ E・C・タブ(創元推理文庫)×0.9 0.1
『名探偵の掟』東野圭吾(講談社文庫)×
『有限と微小のパン』森博嗣(講談社文庫)××
『魔術の歴史』エリファス・レヴィ(人文書院)
『オイディプス症候群』笠井潔(光文社)
『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹(講談社文庫)
『ジョーカー』清涼院流水(講談社文庫)××
『抱朴子』葛洪(岩波書店)
『殺人喜劇の13人』芦辺拓(講談社文庫)
『世界魔法大全(英国篇)4』ダイアン・フォーチュン(国書刊行会)
『妄想自然科学入門』菊川涼音(メディアワークス)××
『鋼鉄都市』アイザック・アシモフ(ハヤカワ文庫SF)
『法の書』アレイスター・クロウリー(国書刊行会)
『イーリアス』ホメーロス(平凡社ライブラリー) *呉訳
『真ク・リトル・リトル神話大系』H・P・ラヴクラフト(国書刊行会)
『僧正殺人事件』ヴァン・ダイン(創元推理文庫)
『衣装戸棚の女』ピーター・アントニイ(創元推理文庫)×
『殺意』フランシス・アイルズ(創元推理文庫)
『トンデモ本の世界』と学会(宝島社文庫)
『ガダラの豚』中島らも(集英社文庫)
『悪霊の館』二階堂黎人(講談社文庫)×
『知性化戦争』ディヴィッド・ブリン(ハヤカワ文庫SF)××
『タウ・ゼロ』ポール・アンダースン(創元SF文庫)
『月に呼ばれて海より如来る』夢枕獏(徳間文庫)×
『イメージシンボル辞典』アト・ド・フリース(大修館書店)
『椿姫を見ませんか』森雅裕(講談社文庫)×
『呪われし者の書』チャールズ・フォート :The Book of the Damned××××
『トリフィド時代 食人植物の恐怖』ジョン・ウィンダム(創元SF文庫)
『盗まれた街』ジャック・フィニィ(ハヤカワ文庫SF)××
『デッドソルジャーズ・ライヴ』山田正紀(早川書房)×
『暗闇の中で子供 The Childish Darkness』舞城王太郎(講談社ノベルス)×××
『失われた時を求めて』マルセル・プルースト(集英社文庫)
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー(新潮文庫)
『吉里吉里人』井上ひさし(新潮文庫)
『火星にて大地を想う』T・フロゥイング××××
『吸血鬼伝承「生ける死体」の民俗学』平賀英一郎(中公新書)
『エイリアン刑事』大原まり子(ソノラマ文庫)×
『落ち着かぬ赤毛』E・S・ガードナー(ハヤカワ・ミステリ文庫)××
『ブラウン神父の童心』G・K・チェスタトン(創元推理文庫)
『昭和歌謡大全集』村上龍(幻冬舎文庫)
『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス(ハヤカワ文庫SF)×
『リングワールド』ラリィ・ニーヴン(ハヤカワ文庫SF)×
『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード(ハヤカワ文庫SF)
『たったひとつの冴えたやり方』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(ハヤカワ文庫SF)××
『奇想、天を動かす』島田荘司(光文社文庫)××
『最上階の殺人 Shinjusha Mystery』アントニイ・バークリー(新樹社)×
『夢の樹が接げたなら』森岡浩之(ハヤカワ文庫JA)
『スターダスト・シティ』笹本祐一(ソノラマ文庫)×××
『陸橋殺人事件』ロナルド・A・ノックス(創元推理文庫)××
『金なら返せん!』大川豊(幻冬舎アウトロー文庫)0.5××0.5
『海を見る人』小林泰三(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)×
『ホッグ連続殺人』ウィリアム・L・デアンドリア(ハヤカワ・ミステリ文庫)×
『思考する物語 SFの原理・歴史・主題』森下一仁(東京創元社)
『ドグラ・マグラ』夢野久作(角川文庫)
『たそがれに還る』光瀬龍(ハルキ文庫)
『ダーコーヴァ年代記』M・Z・ブラッドリー(創元推理文庫)0.1 0.8 0.1
『――――』――××××
『少年エスパー戦隊』豊田有恒(てのり文庫(国土社))
『ECCENTRICS』吉野朔実(小学館文庫)×××
『太陽の簒奪者』野尻抱介(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)×
『悪魔の系譜』J・B・ラッセル(青土社)
『底抜け超大作』映画秘宝編集部編(洋泉社)×××
『猫たちの聖夜』アキフ・ピリンチ(ハヤカワ文庫NV)
『虎よ、虎よ!』アルフレッド・ベスター(ハヤカワ文庫SF)
『サード・コンタクト』小林一夫(ソノラマノベルス)××
『五番目のサリー』ダニエル・キイス(ダニエル・キイス文庫)
『赤と黒』スタンダール(新潮文庫)0.5
『百舌の叫ぶ夜』逢坂剛(集英社文庫)
『星を継ぐもの』J・P・ホーガン(創元SF文庫)×
『できるかなリターンズ』西原理恵子(角川文庫)×××
『海がきこえる』氷室冴子(徳間文庫)
『――』―××××
所蔵率95.0%70.1%76.8%65.7%

なんと大阪府立,都立に勝っちまいやがりましたw ここはけっこう小説類をきっちり揃えてるみたい。あと単行本をもってても文庫版を買う傾向があり,同一のタイトルが複数ある場合が多かったです。埼玉県立も都立のほぼ半分近いという蔵書数(都立は約240万)でありながら,ここまで食いついてきたのは立派。というか,都立はあまり小説類は重視してないのかもしれませんね。

調べてて面白かったのは「デュマレスト・サーガ」シリーズ。都立ではまるで持っていなかったこれを,大阪府立は31冊中30冊(新版がある分は,新旧両方)を揃えてるという脅威の品揃えでした。しかしどういうわけか最終巻「最後の惑星ラニアン」だけなぜか所蔵してない。
一方,埼玉県立では31冊中3冊しか所蔵してないのだけれど,ちょうど大阪府立で持ってない「最後の惑星ラニアン」がこのうちの一冊であったりする。不思議な因果。

ちなみに実在しない3冊,および邦訳のない1冊を除くと,都立・大阪府立・埼玉県立の3館で共通してもってない本は以下の5点でした。

『暗闇の中で子供 The Childish Darkness』舞城王太郎
『スターダスト・シティ』笹本祐一
『底抜け超大作』映画秘宝編集部編
『ECCENTRICS』吉野朔実
『できるかなリターンズ』西原理恵子

下の漫画2点がないのはまだわかるとして,残りをどこも持ってないのはちょっと妙かも。まあ人気あるところを意外に持ってなかったりもするしなあ。森博嗣とか綾辻行人とか。
ちなみに,3館まとめてで考えると所蔵率は91%まで上がります。分散収集のパワーを見た感じですね。


ではまた次回。今度は蔵書冊数の少ない県立あたりを見てみたいかも。

投稿者 Myrmecoleon : 00:03 | コメント (617) | トラックバック

2006年10月14日

第二回「長門有希の100冊は図書館で揃うか?」調査

第2回です。前回はこちら。

今回のターゲットは,日本の公共図書館中ナンバーワンの蔵書量を誇る

東京都立図書館

です。

ちなみに単純に蔵書量で考えるなら大学図書館などの方がはるかに多いのですが(都立は3館合計で200万クラスなのにたいして東大は800万クラス。ほかにも200万オーバーがごろごろしてる)組織の性格上,小説類はあまり受入れにくいというのがあります。「100冊」の大半がSFやミステリ関係の小説であることを考えると,国会につぐ成績を期待できるのはやはり公共図書館,その中でも一番大きな都立,ということでターゲットにいたしました。

なお,都立図書館は中央図書館・日比谷図書館・多摩図書館の三館に分かれますが,今回はその区別はせずに全館あわせてで「100冊」中何冊が読めるか,を調査しています。一館で何冊,というのとは少し違うと思いますがご了承ください。
(要望あれば,一館単位での数も出せますけどねー)


では改めて基準の確認。

リストはCAX氏の「長門有希の100冊」のページを使用。これらと同一の本を探すのが基本。
ただしこの条件では国会図書館以外がずたぼろになるおそれが大きいので,ほぼ同一のテキストをもっていると思われる本については別版でも可とします。具体的には,同じ本の旧版であるとか,以前に出た新書版であるとか。
なお,この基準だと前回あった『金なら払えん!』が救済されて国会の所蔵率が95.5%にあがりますが,国会は例外扱いとします。

また洋書の邦訳については,訳者が同じと確認できれば可とします。訳者が異なる場合はNG。

上下巻,シリーズなどで複数巻あるものについては,国内既刊分の全冊が揃って「1冊」という計算。欠けのある場合は刊行の冊数中何割を所蔵しているかでとり,小数として計算。

あと対象とする「図書館」は,基本的には建物としての館ではなく,同名の一組織として計算します。このため,分館などがある場合は,それらを含めた蔵書を確認します。一箇所で読める冊数ということではなく,ひとつの図書館が管理している冊数ということになるので注意してください。


ちなみに今回の作業は,都立のOPACがセッション管理せずに直接叩けるので,ISBNが一致するものに関してはスクリプト書いてまとめてチェックしました。サーバに負担かけると悪いので一度に10冊ずつにしましたが……途中でサーバ止まってたなあ; 定期のものだといいんだが。


んでは調査結果。

タイトルほか所蔵冊数/刊行冊数備考
『ギリシア棺の謎』エラリー・クイーン(創元推理文庫)1/1タイトル「ギリシャ棺の謎」
『エンディミオン』ダン・シモンズ(ハヤカワ文庫SF)2/2*単行本
『ウロボロスの偽書』竹本健治(講談社文庫)2/2*新書版,単行本
『双頭の悪魔』有栖川有栖(創元推理文庫)1/1*単行本
『魍魎の匣』京極夏彦(講談社文庫)1/1*新書版
『ぬかるんでから』佐藤哲也(文藝春秋)1/1
『クレープを二度食えば。』とり・みき(筑摩書房)0/1
『誰彼』法月綸太郎(講談社文庫)1/1*新書版
『夏と冬の奏鳴曲』麻耶雄嵩(講談社文庫)1/1*新書版
『猶予の月』神林長平(ハヤカワ文庫JA)2/2*単行本
『世界SF全集12』R・A・ハインライン(早川書房)1/1ISBNなし
『バブリング創世記』筒井康隆(徳間文庫)1/1*単行本
『(完本)黒衣伝説』朝松健(早川書房)0/1
『パスカルの鼻は長かった』小峰元(講談社文庫)1/1*単行本
『時間衝突』バリントン・J・ベイリー(創元推理文庫)0/1
『三つの棺』J・D・カー(ハヤカワ・ミステリ文庫)1/1*単行本
『エイリアン妖山記』菊地秀行(ソノラマ文庫)0/1
『順列都市』グレッグ・イーガン2/2
『ターミナル・エクスペリメント』ロバート・J・ソウヤー(ハヤカワ文庫SF)1/1
『復活祭のためのレクイエム』新井千裕(講談社文庫)1/1*単行本
『精神現象学』G・W・F・ヘーゲル(平凡社ライブラリー)2/2
『伯母殺し』リチャード・ハル(ハヤカワ・ミステリ文庫)1/1*単行本
『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』高橋昌一郎(講談社現代新書)1/1
『赤い館の秘密』A・A・ミルン(創元推理文庫)1/1*単行本
『十角館の殺人』綾辻行人(講談社文庫)0/1
『ヴィーナスの命題』真木武志(角川書店)1/1
『五百光年』草上仁(単行本未収録) - 「S-Fマガジン」1998年2月号1/1
『暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで』サイモン・シン(新潮社)1/1
「デュマレスト・サーガ」シリーズ E・C・タブ(創元推理文庫)0/31
『名探偵の掟』東野圭吾(講談社文庫)1/1*単行本
『有限と微小のパン』森博嗣(講談社文庫)0/1
『魔術の歴史』エリファス・レヴィ(人文書院)1/1
『オイディプス症候群』笠井潔(光文社)1/1
『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹(講談社文庫)2/2*単行本
『ジョーカー』清涼院流水(講談社文庫)2/2
『抱朴子』葛洪(岩波書店)1/1ISBNなし
『殺人喜劇の13人』芦辺拓(講談社文庫)1/1*単行本(東京創元社版)
『世界魔法大全(英国篇)4』ダイアン・フォーチュン(国書刊行会)1/1ISBNなし
『妄想自然科学入門』菊川涼音(メディアワークス)0/1
『鋼鉄都市』アイザック・アシモフ(ハヤカワ文庫SF)1/1*単行本
『法の書』アレイスター・クロウリー(国書刊行会)1/1ISBNなし
『イーリアス』ホメーロス(平凡社ライブラリー)2/2*岩波版あり(訳者同じ)
『真ク・リトル・リトル神話大系』H・P・ラヴクラフト(国書刊行会)11/11ISBNなし
『僧正殺人事件』ヴァン・ダイン(創元推理文庫)1/1*単行本
『衣装戸棚の女』ピーター・アントニイ(創元推理文庫)0/1
『殺意』フランシス・アイルズ(創元推理文庫)1/1
『トンデモ本の世界』と学会(宝島社文庫)1/1*単行本
『ガダラの豚』中島らも(集英社文庫)3/3*単行本(実業之日本社)
『悪霊の館』二階堂黎人(講談社文庫)1/1*単行本(立風書房)
『知性化戦争』ディヴィッド・ブリン(ハヤカワ文庫SF)0/2
『タウ・ゼロ』ポール・アンダースン(創元SF文庫)1/1
『月に呼ばれて海より如来る』夢枕獏(徳間文庫)1/1*単行本(広済堂出版)
『イメージシンボル辞典』アト・ド・フリース(大修館書店)1/1
『椿姫を見ませんか』森雅裕(講談社文庫)1/1*単行本
『呪われし者の書』チャールズ・フォート :The Book of the Damned0/1未邦訳。原書も所蔵なし。
『トリフィド時代 食人植物の恐怖』ジョン・ウィンダム(創元SF文庫)1/1ISBNなし
『盗まれた街』ジャック・フィニィ(ハヤカワ文庫SF)0/1
『デッドソルジャーズ・ライヴ』山田正紀(早川書房)1/1
『暗闇の中で子供 The Childish Darkness』舞城王太郎(講談社ノベルス)0/1
『失われた時を求めて』マルセル・プルースト(集英社文庫)3/3*単行本
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー(新潮文庫)3/3*単行本
『吉里吉里人』井上ひさし(新潮文庫)3/3*単行本
『火星にて大地を想う』T・フロゥイング0/1不明
『吸血鬼伝承「生ける死体」の民俗学』平賀英一郎(中公新書)1/1
『エイリアン刑事』大原まり子(ソノラマ文庫)0/3
『落ち着かぬ赤毛』E・S・ガードナー(ハヤカワ・ミステリ文庫)0/1
『ブラウン神父の童心』G・K・チェスタトン(創元推理文庫)1/1ISBNなし
『昭和歌謡大全集』村上龍(幻冬舎文庫)1/1*単行本(集英社)
『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス(ハヤカワ文庫SF)1/1ISBNなし
『リングワールド』ラリィ・ニーヴン(ハヤカワ文庫SF)1/1*単行本
『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード(ハヤカワ文庫SF)1/1
『たったひとつの冴えたやり方』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(ハヤカワ文庫SF)0/1
『奇想、天を動かす』島田荘司(光文社文庫)0/1
『最上階の殺人 Shinjusha Mystery』アントニイ・バークリー(新樹社)1/1
『夢の樹が接げたなら』森岡浩之(ハヤカワ文庫JA)1/1*単行本
『スターダスト・シティ』笹本祐一(ソノラマ文庫)0/2
『陸橋殺人事件』ロナルド・A・ノックス(創元推理文庫)0/1*早川書房版のみあり
『金なら返せん!』大川豊(幻冬舎アウトロー文庫)0/2
『海を見る人』小林泰三(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)1/1
『ホッグ連続殺人』ウィリアム・L・デアンドリア(ハヤカワ・ミステリ文庫)0/1
『思考する物語 SFの原理・歴史・主題』森下一仁(東京創元社)1/1
『ドグラ・マグラ』夢野久作(角川文庫)2/2ISBNなし
『たそがれに還る』光瀬龍(ハルキ文庫)1/1*早川書房版
『ダーコーヴァ年代記』M・Z・ブラッドリー(創元推理文庫)2/221・2巻のみ
『――――』――0/1不明
『少年エスパー戦隊』豊田有恒(てのり文庫(国土社))1/1ISBNなし
『ECCENTRICS』吉野朔実(小学館文庫)0/2
『太陽の簒奪者』野尻抱介(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)1/1
『悪魔の系譜』J・B・ラッセル(青土社)1/1*旧版
『底抜け超大作』映画秘宝編集部編(洋泉社)0/1
『猫たちの聖夜』アキフ・ピリンチ(ハヤカワ文庫NV)1/1* Hayakawa novels
『虎よ、虎よ!』アルフレッド・ベスター(ハヤカワ文庫SF)1/1*単行本
『サード・コンタクト』小林一夫(ソノラマノベルス)0/1
『五番目のサリー』ダニエル・キイス(ダニエル・キイス文庫)2/2*単行本
『赤と黒』スタンダール(新潮文庫)2/2ISBNなし
『百舌の叫ぶ夜』逢坂剛(集英社文庫)1/1*単行本
『星を継ぐもの』J・P・ホーガン(創元SF文庫)0/1
『できるかなリターンズ』西原理恵子(角川文庫)0/1
『海がきこえる』氷室冴子(徳間文庫)1/1*単行本

東京都立図書館について,「長門有希の100冊」の100冊中,ISBNまで完全に一致するものは10数冊しかありませんでした(最初見たとき腰抜かしました)。あとで確認したらISBN未入力が数冊ありましたが,あわせても20数冊です。
ただし上記の基準のとおり,今回以降の調査では,別の版でもほぼ同一のテキストと認められるものについては含めます。この場合,70冊について所蔵が確認できます(おそらく,単行本を所蔵してるものは文庫版を買わないため)。また,ダーコーヴァ年代記シリーズについてはなぜか1・2巻のみ所蔵があったので,シリーズ22冊中2冊で約0.09冊のプラス。細かい小数でても意味ないので,0.1冊と見なします。
以上から,東京都立図書館の「長門有希の100冊」所蔵率は 70.1% となりました。



正直驚きです。公共図書館最大の都立図書館をもってしても,8割を割るだなんて。
無かった本のうち,ノックスの『陸橋殺人事件』については別訳者の早川書房版があるけれど,それ以外は見事に全滅。

欠けた作品の作家の名をあげると,とり・みき,朝松健,バリントン・J・ベイリー,菊池秀行,綾辻行人,E.C.タブ,森博嗣,ピーター・アントニイ,ディヴィッド・ブリン,舞城王太郎,大原まり子,E・S・ガードナー,ウィリアム・L・デアンドリア,J・P・ホーガンなど。けっこう有名どころも混じってますね。
都立とかだとSFはあんまり買わないのかなー,と思ったらそうでもなく,同じ著者のほかの本はけっこう置いてるのですね。どうも小説の網羅的購入はしていないみたい。まあそれはそれで立派な方針なのですが,連続物の途中やラストの一冊が置いてないと利用者は困るだろうなあ。『有限と微小のパン』とか。

しかし都立でこの成績だとすると……ほかの都道府県立はどうなんだろう。もしかして5割切る館もけっこうあるんじゃないか;


そんな事態に遭遇しつつもまだ続けるつもり。

投稿者 Myrmecoleon : 17:13 | コメント (880) | トラックバック

2006年10月12日

第一回「長門有希の100冊は図書館で揃うか?」調査

mixiのコミュニティで図書館の中高生向けサービスにハルヒがいいんじゃないか,という話があって,それならいっそ特別展示で「長門有希の100冊」やっては? みたいなネタを投げました。多少趣味の偏ってる点はあるとはいえ,けっこう多分野にわたったリストで,図書館の展示としても悪くない気がするんですよね。

全100冊(シリーズや上下巻は1冊と計上)中,2冊は発音不能,1冊は実在しない,1冊は未邦訳の洋書(という説が濃厚),また1点は本ではなく雑誌に掲載された小説,また2点は全集ものの一部にあたるので,このあたりは入手不可能,または困難。ただ残りについては,比較的有名な作品が多いこともあり,一般的な図書館であれば半分くらいは揃うんじゃないかなー,とか。取り上げられた作家さんの別作品なども混ぜれば,けっこう立派なコーナーができる予感。
ハルヒのアニメでことあるごとに長門が読んでた本も多数含まれてるので,アニメからのファン受けもいい。また「100冊」には各分野の名著が揃ってるので,そっちの読者がハルヒに興味を持ちだし,ライトノベルにハマっていく展開もありかな,などと妄想したり。

自分が公共図書館でYAコーナー担当だったら絶対やってるなあ。。。。
おすすめですよー,そこの司書さん方。


まあ,長門さん読書ネタは(というか涼宮ハルヒネタ自体が)旬を過ぎた観があるので,わりといまさらなんですけどねー。でも,絶版本が多数含まれてるこのコレクションを全部まとめて読ませられるのは,図書館しかない気がするんだよな。メロンブックス秋葉店でも似たようなことやってたようだけど,やはり文庫で現役の一部タイトルしか揃わなかった様子。ここで元祖ロングテールたる図書館の貫禄を見せつけるですよっ。

まあ冗談はさておき(冗談かい)本当のところ,どのへんまで図書館で持ってるのか,というのはちょっと気になったり。Amazonでの入手難度をあげてる人がいたり,読破&電子化を目指してる人がいたりといろいろありますが,図書館での所蔵具合を調査したネタはまだ出てないはず。

ということで,誰もやらないならやってやれ,の精神で調査しようかと(馬鹿)。
ちょうど横断検索の図書館分の実験もやらなくちゃいけなかったので,そのへんを整備するついでにチェックしてみたいかと思っております。


で,はえある第一回はやはり図書館の中の図書館,

国立国会図書館

で行ってみましょう。



作業は,ちょうどNDL-OPACを外部から使えないかといろいろ試したところだったので,CAX氏の「100冊」のページからPHPでISBNのリストを抜き取り,そのリストからNDL-OPACに飛ばすためのURLを生成して,一冊一冊確認してまいりました。まあ機械的にざざーっとやった方が早かったのでしょうが,図書館側のサーバ負荷もありますので,今回は手動でやってます。あとで見たらISBNの入ってないデータ(初版にはなかったんでしょう)がけっこうあったので,どうせ手動でやらんといけなかったみたいで結果オーライ。

所蔵の確認は,双方にISBNのあるものはISBNで,NDL側にISBNが入ってないものはタイトルと出版社が一致したもののみOKとしています。今回は相手が国会図書館なのでやや厳しくしてますが,今後県立図書館等を調査する場合は,単行本と文庫本,新書の違いぐらいは許容してもいいかも,と思っています。
また上下巻,シリーズなどで複数巻あるものについては,国内既刊分の全冊が揃って「1冊」という計算をしています。また欠けのある場合は刊行の冊数中何割を所蔵しているかでとり,小数として計算しています。たとえば,上下巻で上巻だけがない場合は0.5冊と計算します。

なお,上記したとおりリストはCAX氏作成のものを使用しています。「ザ・スニーカー」のオリジナルの方は確認していません。異同などもあるかもしれませんが,ご了承ください。



というわけで調査結果です。

タイトルほか所蔵冊数/刊行冊数備考
『ギリシア棺の謎』エラリー・クイーン(創元推理文庫)1/1ISBNなし,タイトル「ギリシャ棺の謎」
『エンディミオン』ダン・シモンズ(ハヤカワ文庫SF)2/2
『ウロボロスの偽書』竹本健治(講談社文庫)2/2
『双頭の悪魔』有栖川有栖(創元推理文庫)1/1
『魍魎の匣』京極夏彦(講談社文庫)1/1
『ぬかるんでから』佐藤哲也(文藝春秋)1/1
『クレープを二度食えば。』とり・みき(筑摩書房)1/1
『誰彼』法月綸太郎(講談社文庫)1/1
『夏と冬の奏鳴曲』麻耶雄嵩(講談社文庫)1/1
『猶予の月』神林長平(ハヤカワ文庫JA)2/2
『世界SF全集12』R・A・ハインライン(早川書房)1/1ISBNなし
『バブリング創世記』筒井康隆(徳間文庫)1/1
『(完本)黒衣伝説』朝松健(早川書房)1/1
『パスカルの鼻は長かった』小峰元(講談社文庫)1/1ISBNなし
『時間衝突』バリントン・J・ベイリー(創元推理文庫)1/1
『三つの棺』J・D・カー(ハヤカワ・ミステリ文庫)1/1ISBNなし
『エイリアン妖山記』菊地秀行(ソノラマ文庫)1/1
『順列都市』グレッグ・イーガン2/2
『ターミナル・エクスペリメント』ロバート・J・ソウヤー(ハヤカワ文庫SF)1/1
『復活祭のためのレクイエム』新井千裕(講談社文庫)1/1
『精神現象学』G・W・F・ヘーゲル(平凡社ライブラリー)2/2
『伯母殺し』リチャード・ハル(ハヤカワ・ミステリ文庫)1/1ISBNなし