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2006年06月25日
たたかうニュースキャスター
夏見正隆『たたかう! ニュースキャスター』(朝日ソノラマ, 2001)
「ひくっ,あのう,いくらボランティア活動が世のため人のためといったって――」
「自分の人生まで犠牲にして,やることはないと思います」
「そんなことは,馬鹿げています。人のために犠牲になって,自分の人生を無茶苦茶にして,それで,誰にも知られなくて,誰にも褒めてもらえないなんて,馬鹿げています。辛いだけです。それは――時々,嬉しい時もあるけれど,そんな時は一瞬で,あとは辛い現実が待ち構えているだけです」
「――あたしなんか,誰にも褒めてもらえないんだ。『よくやった』って,一言ぐらい褒めてほしいのに――褒められたくて何が悪いのよ。褒めてほしいわよ。ボランティアしたら,せめてみんなに,『よしみよくやった』って,褒めてほしいわよ。褒められたいよ。でなきゃ,浮かばれないわようっ」
ちょっと古い小説だけど図書館で見かけたのでゲット。この手のヒーロー物ラノベ?には弱かったりする。
内容を簡単に説明すれば「女子アナ版スパイダーマン」。能力的にはスーパーマンの方が近い(作中でも通称「スーパーガール」)のだけど,この感じはやはりスパイダーマンですね。宇宙人じゃないなー。
主人公よしみは,テレビ局の女子アナでありながら超能力をもつスーパーガールになってしまう。事件現場でキャスターをつとめる最中にも救いの声で現場に駆けつける。おかげで会社もクビ。大好きだった恋人は,自分ではなくスーパーガールに惚れて「よしみは友達で」と言う。唯一の理解者だった親友は,ドラマの共演をきっかけに恋人と仲良く。おりしも悪質なテロリストが激しい活動。失職し失恋し友情まで失いながら,カメラを振り切っていじわるな先輩アナを助けるために燃えるデパートに走り出す。
シチュエーションはほんと定番なわけですが,主人公の叫びがなんだかリアルでよかったですね。まあ写真だけ撮ってりゃ商売になるスパイダーマンと違って,彼女は現場でリアルタイムに仕事してないといけないわけで。それでも助けを求める声を一度も無視しない彼女の性格に乾杯。映画『スパイダーマン』で感動できたあなたなら,たぶんこの小説も楽しめます。むしろ身近でいい。
まあこのへんはよいとして,気になったのが一点。
この作品,発行日が2001年11月30日なんだが……作中でボーイングのっとって自爆テロ決行しようとするテロリストが登場するんだよね;
えっと,わかりませんかね? 911。
……よく出版できたよなあ。本家スパイダーマンなんて,ビル写ってるというだけでカットされたシーンがあったものだが。
あ。ちなみに作品自体は1996年に文庫で出してたものの大幅加筆だそうなので,不謹慎元ネタってことではないと思います。よく自主規制クレーム入らなかったな,もしくはよく守ってくれたなと感心したところ。
投稿者 Myrmecoleon : 2006年06月25日 12:59
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コメント
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投稿者 ccqmqtohcy : 2007年07月02日 12:20
